スチュワーデスは、飛行機の事故に備え、緊急事態の機外への脱出、着水の際の救命ボートへの避難など、保安要員としての訓練を積んでいます。飛行機に乗ってから必ずアナウンス(あるいはデモンストレーション)される非常口、救命胴衣(ライフベスト)の位置・装着方法、酸素マスクについてなどの説明に、お客様は必ず耳を傾ける必要があります。
飛行機がまさに離陸・着陸するというとき、スチュワーデスは「STS 5項目」を復習しています。「Silent Thirty Seconds」といって、飛行機事故は離着陸時に発生する確率が高く、その30秒の間は、事故の場合の対応について頭の中に重要事項をめぐらせます。エンジンの異常(煙、出火など)を確認、自分の担当ドアが開けられるか、開けられる場合、脱出する場合のかけ声(「No heels!」ハイヒールは脱いで、「No bags!」荷物は置いて、など)、すべり台のようにドアから地上に降りる脱出シュート(emergency slide)の膨らませ方(機種によって異なる)、お客様一人をドアの片側に立たせ、アシストを依頼するなど。ベリーランディング(飛行機の胴体で着陸)、オーバーラン(着地後コースを逸脱してしまう)の場合、着水(海に着陸)の場合、それぞれ状況に応じた脱出方法があり、乗務員はそれらを心の中で復習します。
着水の場合は、着陸前に準備できる時間が少しあるという想定なため、乗務員はライフベストの装着時期、その膨らませ方とタイミング、着陸時の衝撃防止姿勢の指導などをお客様に行います。
ちなみに機内の気圧が減少し、酸素マスクが頭上から投下されたら、全員マスクを着用しなければなりません。お子様連れの場合、保護者がまず装着してから、子供にマスクを着用します。減圧により酸素がなくなると低酸素症(hypoxia)になり、次第に意識が薄れていきます。このため、そうなる前にまず自分を守り、子供を守るという順序になります。
2004年の改正航空法で機内でも迷惑行為に対する規制が強化されました。さらに最近発生した英国発旅客機のテロ未遂事件を受け、手荷物について厳しい取扱いが実施されています。詳しくは「セキュリティー関連法律・通達」のページをご覧下さい。また、それぞれの緊急事態の詳細は以下をご覧下さい。
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